6月13日に2024年『京都西陣 未来へつなぐ架け橋プロジェクト 』スタートしました。午後の部として今河織物株式会社にて、西陣織の実際の織機・工房の見学を行いました。
未来へつなぐ架け橋プロジェクトとは、
伝統的な技術やデザインの継承に課題がある工芸・生地を、
伝統と技術を新しい視点から、現代のデザインと融合させることを目的としたプロジェクトになっています。
前回の企画についてニッセンが運営するサステナブルなアパレル・雑貨ブランド「RiFUKURU」が主催する「京都西陣 未来へつなぐ架け橋プロジェクト」の紹介
今回2回目となるこのプロジェクト。
前回に引き続き西陣織の残糸・残反から新たなプロダクトをデザインする企画の第2弾となります!
キックオフミーティングの午前の部では、まず株式会社ニッセンより、今回の企画の説明を行い
西陣織組合 館長 大槻様より、西陣織のご説明をしていただきました。
詳細はこちら:2024年『京都西陣 未来へつなぐ架け橋プロジェクト 』キックオフ – RiFUKURU Column
今河織物株式会社へ工房見学
午後の部では、西陣織の着物や帯などの織物製造を行う今河織物株式会社に伺い、
代表取締役の今河様から西陣織の実際の織機・工房の見学と、今河織物・西陣織の特徴についてお話をお聞きしました
今河織物株式会社については、KIYATA – 木屋太 | 京都市の西陣織着物メーカー
ジャカード機の見学
まずは、実際の織機・工房の見学をさせていただきました。
工房には、西陣織を織るためのジャカード織機が並んでおり、ジャカード織機の歴史と特徴をより詳しく説明いただきました。社長のお話が面白く、自分も学生さんと同じく聞き入っていました!
~ジャカード織機の歴史紹介~
今回ジャカード織機の歴史を少しご紹介します!
ジャカード織機は西陣織に革新をもたらせたといわれています。
それはなぜなのか。
答えは…経糸を人力で引っ張る必要がなくなったからです。
西陣織は経糸と横糸を織り合わせることで文様が形成されます。
ジャカード機が現れるまで、複雑なデザインを空引機《そらびきばた》という人力で経糸を上下させる織物で紋織りを織っていました
その複雑な工程により西陣織は一時期衰退の危機に陥ったといわれています。
しかし、ジャカード機が導入されたことにより、複雑なデザインをパンチカードの形にし、どの経糸をどの時に上げるのかを制御することが出来るようになりました。
そのおかげで格段に簡単早く織物を織れるようになり、現在まで続く伝統工芸の地位を確立しました。
このジャカード機の導入を今河社長は、西陣織での「産業革命」と表現されていました。
西陣織の糸の見学
さらには、今河織物株式会社で利用されている糸も拝見させていただきました。
鮮やかな糸に学生さんも釘付けでした。普段のアパレルとは違う西陣織ならではの彩色に興味津々。
多くの質問が飛び交い、作品へのイメージが膨らんでいることが私たちにまで伝わってきました。
実際の織工房で普段はなかなか見学することがジャカード織機や西陣織の糸を拝見でき
さらには、素晴らしい西陣織の技術・歴史の数々を目の当たりにし、より作品への想像力が高まったのではないでしょうか。
西陣織の特徴について
そして次に、今河織物株式会社で作られた西陣織の特徴についてお話をお聞きしました。
今河織物株式で織られた西陣織の数々を見せていただき、その生地ごとの特徴、製造方法のご説明をしていただきました。鮮やかなできれいな織物それぞれに意味があり感動しました。。
今河社長からは、「今までの西陣織らしさを活かすのではなく、自分たちが使いたいものにするという視点を大事にしてほしい」とのアドバイスもあり、学生さんの新たな視点を楽しみにしておられました。
今回の工房見学を通じて、西陣織を実際に体験して聞いて・見て・感じることでより西陣織について深く知ることになったはないかなと思います。
西陣織の特徴を活かした新しいプロダクトの提案を楽しみにしています!
貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
文中、敬称略